「なーなー、
!」
「うん? なーに、環くん」
「しりとりしようぜ。着くまでヒマだし」
環くんが
さんに想いを告げて、二人は付き合うことになった。僕としては見守っていきたいって思っていたからとても嬉しく思う。
ーーはずなんだけどね。
「
〜〜! いいじゃん、やろーよ!」
この環くんのベッタベッタぶりは、さすがに、ちょっとね。見ている僕が恥ずかしくなる。
とは言っても、ここは彼女が運転する車内。僕たちはテレビ局に移動中のため後部座席に座っている。寮にいる時のあのひっつき環くん虫はいないから、まだマシかな。あれはね……もう、僕たちの前では勘弁してほしいかな。
そんな環くんはというと、僕の左隣でルームミラーに映る
さんと会話をしていた。だったら僕は、ちょっとだけ仮眠を取らせてもらおうかな。ゆっくりとまぶたを閉じれば急にやって来た睡魔に襲われて、僕はテレビ局に着くまで二人の会話を耳にすることはなかったーー……。
「げっ……そーちゃん、寝てるし」
「ずっと撮影ばっかりだったから、疲れてるんだよ。着いたら起こしてあげよう?」
「……だな。そういやさ、
、敬語使わなくなったな!」
「そだね。使った方がよかったかな?」
「んや。そのままがいい」
「よかった」
「ん。じゃ、しりとりな。……しりとりの“り”から、リ、リ……リスタートポインター!」
「タ、環!」
「ばーか」
「いいじゃん。“タ”なんだから〜」
「キ、か。んーっと、キ……キス、していい?」
「んっ……ちょ、環くん……っ!」
「可愛い答え言った
が悪い」
「んもう……!」
《終》